碧い鱗

青が好きです。魚の体を覆っている鱗の様に今の私を形成している想いでや出来事をチラチラと散りばめて書こうかと・・・

小さい秋みつけた

来月、杉山響子さん脚本の舞台がある。

「見えない同居人」というタイトルで、面白そうだ

まだ予約していないけど是非とも行ってみたい。

 

さて、杉山響子さんと言えば、佐藤愛子さんの娘でもあるが、佐藤ハチローさんの姪御さんでもある。

「ああ、そうだったなあ」と何気なく佐藤ハチローさんをググってみた。

 

最近はなんでも調べれば即座に色んな事が分かる。

とても便利で、テレビを見ながら気になった事や人物をすぐ検索して、「へー、そうなのか?」とか、「あ、そうだったなぁ」などとその時は思うけど、簡単に調べる事が出来る分、簡単に忘れる様だ。

 

杉山響子さんから佐藤ハチローさんを思い出して検索して、「小さい秋見つけた」の歌詞を書いたのが、佐藤さんだと知り、ちょっと驚いた。

最近の小学校では、いわゆる「唱歌」という曲をやらないらしいが、私が子供の頃は、季節ごとに唱歌を歌い、そしてその記憶は何十年も経った今でも季節の移ろいと共に思い出したり出来る。

「小さい秋見つけた」もその一つだ。

東京に出て来て、縁あって杉山響子さんと知り合い、そして佐藤ハチローさんの歌が心にある歌なんだと知ったとき、ちょっと嬉しいと思った。

そして、佐藤ハチローさんの歌詞でもう一つ、私の心を震わせた歌があった。

 

それは「りんごの唄」だ。

さすがにこの歌は私世代の歌では無い。

この歌は父が好きだった歌だ。

 

先日、大分に住む父のお見舞いと、旅行を兼ねて、大分から熊本まで車で移動しつつ、高千穂や阿蘇を巡り、普段行けない様な場所に家族で行けた。

父は去年の冬に倒れ、左半身不随になり、今は施設に入っている。

そう何度もお見舞いに行ける距離では無い。

私だけならまだ頻繁に行けるが、父が逢いたいのは私より孫娘な訳で、二人で大分にお見舞いに行くのはそうそう容易く無いため、足が遠のく。

 

ついでに旅行とは気が引けたりもするけど、病院は嫌いで、長居したく無い事もあり、旅行でもセットにしないと行く気になれない

親不孝とは思いつつ、楽しみも含めてのお見舞いにしないと娘もなかなかついて来てくれない。

 

そんな言い訳をしながらのお見舞いだった。

 

そして、佐藤ハチローさんのりんごの唄に戻る。

父が好きだったこの歌

私はタイトルだけではピンと来なかったので、「歌詞はどんなかな?」と検索してみた

歌詞を読んだ瞬間、頭の中で父の声で再生された。

それも私がまだ幼い頃の父の声だった

私は歌詞を見ながら無性に悲しくなってしまった。

 

理解はしているが、親が老いるという事はとても寂しいものだ。

心のどこかに小さい棘が刺さった様な感覚がいつも有って、かと言って日々の生活もあって、遠方の父の事ばかり考えていられないし

そんな言い訳している自分にも罪悪感があったり

そんな棘だ

 

そんな気持ちと、りんごの唄のメロディが相まって無性に悲しくなりながら家路を急いだ

そんな秋の始まり