碧い鱗

青が好きです。魚の体を覆っている鱗の様に今の私を形成している想いでや出来事をチラチラと散りばめて書こうかと・・・

方言通信 Vol2

九州弁(と言っても私の住んだ地方限定)で、単語が違う物がある。
それをいくつか紹介しよう。

【ビッキ】 意味:蛙
これは以前書いた事があるが、ビキタンとも言う。ビッキは蛙全般の事を言い、「青蛙」など固有も指す場合は使わない。

【ひゃー】 意味:ハエ
今では年寄りしか使わないかも知れない。

余談だが、東京に来てから事、先輩の実家に遊びに行った時、先輩のお父さんが「ひゃー食え」と昼ごはんをすすめてくれたが、私は「ひゃー?そんなのが入っているのか?」と驚き、
手を出さずにいたら、「今母さんが半殺しするから」とも言われ、益々躊躇してしまった事があった。
先輩にどうしたと言われ、「ひゃーはハエの事で、ハエを半殺しにした料理なのかと思った」と言ったら盛大に笑われた。
「ひゃー」は「早く」の意味で、「半殺し」は「オハギ」の事らしい。
先輩の実家は山梨県都留郡だった。所変われば方言も変わるものだと再認識したものだ。

【はちがめ】 意味:カブトガニ
鉢を被っているように見えるからだと説明されたが、何故カメなのかはわからない。
昔は海でよく見かけたが最近は数が減っているらしい。時々調査団が来たりしていたが、上京してからは水族館でしか見たことが無い。

【てんげ】 意味:手ぬぐい
祖母はタオルもハンカチも一まとめに「てんげ」と持っていた。手に提げるという意味だと聞いた。

【ちょんごろまい】 意味:ヒイラギという魚
煮物や南蛮漬けになって食卓によく上がったこの魚の正式名称を知ったのは大人になってからだ。東京では手に入らないので、又食べたいと思う。

【カチガラス】 意味:カササギ
カササギは白黒のカラスだ。鳴き声が「カチカチ」と言うのでついたそうだ。毎年春になると電信柱に作った巣の駆除が風物詩だった。
東京には居ないと聞いて残念に思った。佐賀県の県の鳥に指定されていたと思う。

【くちなわ】 意味:ヘビ
ヘビ全般に対して使うが、蛙と同様「青大将」「マムシ」など固有名詞を指す場合は使わない。

【とんぴん】 意味:ミミズ
特に太くて長いミミズに対して使う。釣り餌に使う赤ミミズはそのままだ。

【かんげ】 意味:髪の毛
「かんげの長ごうしてやぐらしかごたる」と使う。「髪の毛が長くて鬱陶しそうだ」の意味。「の」が「ん」になった例。

【はちがぶり】 意味:ゴキブリ
伏せた茶碗(鉢)の中から出てくるからついた名前と聞いた。【恥かぶり】(恥被り)と似ているため言葉遊びで使ったりした。

【おんちゃん】 意味:オジサン
女性の場合は【おばっちゃん】(オバサン)と呼ぶ。

【つ】 意味:かさぶた
逆に「かさぶた」と言う言葉を知らなかったくらい普通に使われていた。

【ふーけもん】 意味:ボケているの意味。私は「呆け者」から来ているのではと思っている。
馬鹿ともアホとも間抜けとも微妙にニュアンスが違う。
「そがんふーけとるけん忘れ物すっと」(そんな風にぼーっとしているから忘れ物するんだ)と使う。

【手まぜ(する)】 意味:手で髪をいじったり、スカートやズボンをいじったり、鉛筆や消しゴムをいじること。ペンを回すことも含まれる。
例)「こら、そこ、手まぜせんで話ば聞かんか」

【もー(する)】 意味:おしりを持ち上げた状態
例)「もーせんばお尻の拭けんばい」

【えーくらう】 意味:調子に乗ってフラフラする、大変な目に会う
例)「あすとん、えーくろうとるけん注意したが良かよ」「昨日の障害のせいでば、えーくろうたとさ」
例)「あいの、あがんえーくろうとるけんがくさ、いっちょん仕事の進まんとさ、そいけんごっとい、後でおいがえーくらうとば」
訳)「あいつが、あんな風に調子に乗ってフラフラしているから全然仕事が進まないんだよ、だからいつも後で俺が大変な目にあうんだよ」

他にもあるかもしれないが今は思い出せない。
もしかしたら未だに方言と気づかず使っているのかもしれない。

語源はわからないが、音だけ聞くと違う意味に捉えられやすい方言を紹介する。

【かっかえる】 意味:落ちる
「かっかゆー」、「かっかいゆー」とかとも言う。前後の文により変化する。
高いところに登ったとき、「そがんことしよっぎかっかいゆーばい」と言われたり、「ほらかっかえたろーが」と言われたりした。
抱える(かかえる)と聞き間違う事が多いらしい。

【やーらしか】 意味:可愛い
嫌らしか(いやらしか)と似ている。文字で書くと違いは判りやすいが、発音するときに、左記は「ぃやーらしか」と「い」が子音の様に発音するため間違えやすい。

【どがんでん】 意味:とっても、どうでも
この方言は前後の文によって意味が全く逆になってしまうので注意が必要だ。
「あすとん、どがんでん良か人やっけんね」(あの人はとてもいい人だ)と使う場合と、
「あすとんの、どがんでん良かっていいよらしたばい」(あの人が、どうでも良いと言っていた)と使う場合がある。
又、「どがん」と短縮して使う場合もある。

いざ文にしようと思うと思い出せないものだ。
今日はここまで。
今後も思い出したら書いてみようと思う。
そいぎ!(それじゃぁ)