碧い鱗

青が好きです。魚の体を覆っている鱗の様に今の私を形成している想いでや出来事をチラチラと散りばめて書こうかと・・・

三連休の収穫(2)/忘れないうちに書く第二弾

三連休最終日の12日は渋谷にある「アンティーク・ローズ」というカフェでのライブに出掛けた。
お目当ては杉山弘幸氏がギターを弾いている「バター・ドックBB」だ。

そもそも杉山さんと私の出会いは音楽だった。
確か初めて会ったのはライブハウスだったと思う。いや、スタジオだったかな。もう大分前の事で忘れてしまった。
最初私は杉山さんが怖かった。
誤解しないで欲しいが、杉山さんの見た目が怖いのではなく、後ろに控えている何かが怖かったのだ。
「近寄ったらヤバイ」と直感した。
しかし、その思いはある日完全に私の勘違いだった事に気づく。

ある日、バタードックのライブに知り合いの父兄も参加するということで聞きに行った。
ライブハウスと言うのは、大抵が地下にあり、音楽と欲望が渦巻き、色んな人とモノが集まる場所だ。

その日、本番直前、杉山さんが出番前にボーカルの小林大祐さんの背中を叩いたのを見た。
そうすると、何かが取れ、大祐さんの背中が明るくなったを視た気がした。

その後の打ち上げの席で杉山さんと話す機会があった。既に顔見知りではあったが、ちゃんと話のは始めてだったような気がする。
私は思い切って、大祐さんの背中を叩いて、何か祓ったのかと聞いた。
私の言葉に杉山さんは一瞬驚いたが、私の目をジーっとみて、「ああ、そういうことか」と言った。
その途端、杉山さんの後ろに控える何かがはっきり視えた。

その後、私たちは徐々に打ち解け、一緒にライブをやったりし、現在に至るのだが、この杉山さんとの間にも不思議な話があったりする。
その辺りは追々書いていくつもりだが、話を戻して12日のライブについて書こう。

12日のライブは杉山さんの大学の同級生のくみさんが率いる「スゴロク」で、杉山さんもギターで参加していた。
くみさんの歌声は優しい。いつもその歌声でほんわかした気分にさせてくれる。
12日は私は始めて聞くのだが、もう一人の別の女性ボーカリストと一緒に歌った。
そのボーカリストと一緒に歌うくみさんいつもとは違った感じに聴こえた。
杉山さんはというと、何やら妙に楽しそうに演奏していた。

二番手の出演は杉山さんの娘の「桃ちゃんBAND」だ。

彼女は凄い。
何が凄いって歌声と音域の幅と、音程の安定と、かもし出す雰囲気が凄いのだ。もうその歌声はプロだ。
巷で流れている若いグループの曲を歌ったとき、「あ、この歌ってこんなにいい歌なんだ、オリジナルのボーカルより好きだ」と思った。

又、作詞作曲も自分でこなし、ピアノのアレンジもつけ、さらっと披露して、「あ、オリジナルでした~」と来た。
何も気負っていなく、自然体で、ある意味天然の彼女の良さは、ライブの回を重ねても変わることなく、才能には益々磨きが掛かっていく。
そして私は又思うのだ。「蛙の子は蛙」なんだと。
リズムの取り方や、音の間の取り方が父親そっくりだ。
歌詞を書くのは母親譲りなんだと思う。
前言を撤回しよう、「蛙の子は蛙を超える」のだ。
とにかく彼女の将来が楽しみだ。

三番手が「バタードックBB」の演奏だ。
またまた杉山さんが登場し、すっかりギター小僧になった顔で演奏していた。
私はバタードックのボーカル、大祐さんの歌が大好きだ。彼の声も、パフォーマンスも好きだ。
勿論、杉山さんはギターがめちゃめちゃ上手いし、さすがプロと思わせる音色なのだが、この二人が揃った時の音楽は、どう表現すれば伝わるのか判らないが、とにかく良いのだ。
芸術を人に伝えるのは難しく、とにかく聴いて欲しいとしか言えない。

この日は「バタードック」時代の曲と、コピー曲を何曲か演奏してくれた。
最近レコーディングし、、Youtubeで動画をアップした「あらわれて笑って」と新曲の「セットリスト」もやってくれた。
「あらわれて笑って」は先日自分のブログで亡くなった友人の事を書いたばかりで、友人を思い出し、不覚にも号泣してしまった。
一緒に行った友人がそっとティッシュを渡してくれたが、私は歌の間中泣いていた。
きっと友人を思い出した心が、涙を流すことを欲求していたんだと思う。

大祐さんの歌声には心の琴線に触れる何かがある。

是非検索して聴いて欲しい。

 

杉山さんはと言うと、やっぱり始終ギター小僧だった。バタードックで演奏しているときが一番彼らしいのではないかと思う。

 

人のライブを観ると自分もやりたくなる。
さしあたっては11月に予定しているGospelライブが目標なのだが(実は私はGospelをもう何年も歌っているのだ)、GospelとRockをバンドでやるのは全然違う。
Gospelではコーラスをあわせる難しさと仕上がった時の迫力と達成感が醍醐味なのだが、人数が多い分問題も多いし、ライブ目前になると趣味でやっているはずなのに、苦行になってしまう。


そろそろライブ前練習が苦行になりつつある私は12日のライブを聴いて、むしょうにRockやPopsが唄いたくなった。
まあ、要は逃げだ。

 

12日は一緒に行った友人(彼女はGospel仲間であり、Band仲間でもあり、飲み仲間だ)とライブ後の感想を話したり、ため息ついたりの時間がとても楽しかった。

 

こんな風に三連休は終わってしまったが、実は次の11月の三連休も自分のGospelライブと、友人のライブが2個続いて音楽三昧の予定だ。

 

趣味が出来て、音楽に触れられる時間が取れるのは幸せな事だと思う。
そして音楽を通して色んな人と出会い、繋がっていけることも幸せなんだと思う。
家族や友人に改めて感謝だなと思えた三連休だった。